あのヒロインってほんと美人ですよね!すてきな女性!

★…………………………………………という話で盛り上がってるところに「それよりあのイケメンキャラが本当にすてきで!」みたいな話始めたら「腐女子すっこんでろ」って叩かれると思うんですけど「あのキャラクターって実は美青年で~」って話してるところに「素敵な奥様をよろしくお願いします!」って言いだすのって、なんか、言っちゃなんだけど関係あるのだろうか。

いや、あの女性キャラクターのファンってほんと面白いですね。

自身のスタンスについて

界隈の中で私が唯一チェックしてる、「懲役太郎」というVtuberがいます。

前科三犯の経歴持ちで元反社というテイのキャラクターで運営されているんですけど、活動の一環にゲーム実況もされてます。

その中でもおそらく代表的なのが、所謂ゲームさんぽスタイルで実況する「龍が如く7」です。任意のソフトを題材に、様々な分野の専門家がゲームプレイを解説していくあれです(石原良純×ブレワイが有名かと)。

 

懲役太郎のゲームさんぽは割とツッコミ成分というか、前科持ち元反社のキャラクターがヤクザを題材にした架空の物語に対して「本職はこんなことしない」「実際にはありえない」ってツッコむノリが基本なんですけど、まぁ当然「いちいちつっこむな」「批判するな」みたいな反発はあるわけですね。ネットだしゲーム媒体なんで、人の層がこの辺なんです。

 

その批判に対する懲役太郎の反論は次の通りなんですけど「勝手にヤクザを題材に使っといて本職からゲーム会社に文句の一つもつけられたことないだろう。みんな、デタラメだなーって笑って許してる。それをツッコミや指摘さえもするなとはどういうことだ」という、そのような旨です。

 

自分の江戸川乱歩絡みの話題のスタンスも、同じです。現物が目に入れば反応はしますし、それは必ずしも肯定的・好意的なものではありません。だって向こうがこっちの領域に踏み込んできた、こっちの好きなもの題材に選んでるわけですから。あれこれ言いますけど、これも常に口にしているように表現の自由に基づいて「作るな」「発表するな」とは言わないですよ。思いっきり嫌いますが、嫌うのも批判するのもまた相手と同等の私の表現の自由です。

……同時にまた「作らない」「発表しない」というのはれっきとした表現であり、作る・発表することと同等の表明だとも思っていますが。

(あと上記の懲役太郎に関しては、基本的にはツッコミも含めて龍が如くというゲーム自体をちゃんと楽しんでますけどね)

 

ただしファンの二次創作を明言無しに、これが原作者の意図なんだと言い張る行為は別です。二次創作したいなら二次創作である旨をはっきり明記すべき、原作を題材にしただけで作者・江戸川乱歩とは一切無関係であることを主張すべきと、この点を自分はいつも批判しています。

スタリラ、いいライバルがいるじゃないですか

 天堂真矢と西條クロディーヌですか。

さらっとですが、調べてみました。いいライバル関係です。と、いうか少年探偵団・明智と二十面相という題材でてっきりこの関係性をなぞるのかと思いました。

 

「天才を真に理解できるのは同じ天才だけ。凡人には、彼らが天才であることまでは理解できてもその天才性の所以を詳細に認識することはできない。」

私は天堂真矢と西條クロディーヌについて調べた時、この言葉を思い出しました。作家・穂村弘のエッセイからの一文です(表現は私がかなり変えていますが、大まかな主張は上記のような感じです)。

この文章、実は穂村が明智小五郎怪人二十面相を言い表したものです。

天才が天才であるがゆえの存在の孤高を共有できるのは同じ天才だけなのです。

 

聞きかじりの真似でお恥ずかしいですが、西條クロディーヌというキャラクターが自分が絶対的に優れていると確信していた演劇というフィールドで学園主席を他者に奪われてしまった、その相手が誰であろうと絶対執着したでしょうか。認めたでしょうか。私はきっと違うんじゃないかな、と感じます。その人が「天堂真矢」だったからこそ燃え上がったのではないですか。

そしてこの想いは一方通行ではなく、同じように天堂真矢も準主席が西條クロディーヌだからこそ、好敵手として認めているのではないでしょうか。

 

好敵手というのは客観した実力や肩書の拮抗ではなく、つまりお互いが「こいつに勝つ!負けない!」と念じた時、そこに力を競おうとする理屈はほかにない。交えることこそ大切。そのような状態をさすのだと思います。

そういった想いを、たとえば「勝利は栄光は、誰誰のために、他の誰のために恥ずかしくないように……」と新たな第三者に感情目線を逸らしてしまえば、二人の関係は別物になってしまいませんか。二人の対決に胸躍らせていた観客は残念に思わないでしょうか(※)。

その恥も誇りも敬意もすべて世界の誰よりもこの相手にこそ最大に払う、それが好敵手というものなのではないですか。

 

本当になぞっただけの孫引きで申し訳ないですが、すてきなライバル関係ではありませんか。天堂真矢と西條クロディーヌ。原作の明智小五郎怪人二十面相もまたお互いのために闘う好敵手です。純然な犯罪フリークです。二十面相は明智に勝ちたくて挑みますし明智はそれを受けます。完結した二人です。

この関係に横槍や、後付の理由はいらないと思います。

 

 

※さらに言えば「この二人が闘うのは、実は同じ一人の男性を愛し、彼を奪い合っているからだ」などという唐突な展開になったとしたら、興ざめというレベルではない、と思います。地獄絵図ですよね。 た と え 匂 わ せ 程 度 で も で す 。火種を撒くな。お望み通り燃すぞ。よいこのみんなは自分(百合好き)がされて嫌なことは人(BL好き)にも絶     対やめようね。

 

 

追記

天才を知るは天才のみ。つまり好敵手として認めるというのは一種の信仰なんじゃないかなと思います。相手を信仰対象にするというよりは、自分たちに対する信仰です。相手のことを本当に知ってるのは自分だけ・自分のことを本当に知ってるのは相手だけ……と思っていてもはたしてそれって真実なのか?認識できているのか?理解できているのか?納得できているのか?それを誰が確かめるのかと言ったら、本人たちが各々を信じてるんですよね。自分と相手のことを。それ以外に確かめる方法ってないので。

今後の執筆予定

・続二十面相の闘う理由と変態文学少年探偵団について

 →二十面相の掲げるものは矜持も主義もすべて自分のためのもの

 →戦いたいから戦うのがライバルです

 →殺したい犯したい儲けたいだけが欲望ならフリークス趣味なんか存在しない

 →たったこれだけの話なんですよという話

怪人二十面相の友、北村

怪人二十面相の最も信頼する男、長野

・スタリラ、いいライバルがいるじゃないですか(仮予定)

 

 

数日前、嬉しいお言葉をいただきました。ありがとうございます。

 

目標としては、二十面相や乱歩について検索したとき「明智文代は二十面相に云々」みたいなデタラメなブログやサイトと並んで自分の書いた記事が表示されることです(※)。

 

自分は江戸川乱歩というフィールドに同じノイズを増やしたいんです。ノイズだからといって偏向していいという理屈はありません。ノイズだからこそ、むしろ公平に多様性のあるものであるべきです。

ノイズが目障りなら、江戸川乱歩の書いた素晴らしい原作がそこにあります!原作を手に取り、自分の目で読みましょう。

 

※というか明智文代ファンの人って、好きなキャラの名前で検索して1ページ目に(原作でのさまざまな出番や活躍についての言及をさしおいて)作者非公認の同人カップリングの話が出てくる現状気にならないんでしょうか?私だったら絶対ごめんですけども。

閑話休題かもしれません

ここ数日の乱歩関係の記事には、某ソーシャルゲームのタグをつけて投稿しています。

なぜかというと「向こうがネタにしたから」です。

 

表現の自由の原則に従い、私はネタ(題材)にするなとは一切言いません。

ただ、他者が生み出した作品をネタに使った以上はそのファンからあれこれ言われるのもまた当然のことだと思います。

 

それが嫌ならオリジナルのアイディアだけで勝負すれば良いし、ユーザーもまたお上に「自分たちが応援するコンテンツを好きなように、題材にされた作品にもファンがいることを考えた仕事ができるのか」を問う必要があります。

 

とにかくネタに使われた以上、また相変わらずの同人ネタや同人解釈が含まれている以上、原作を紹介させてくださいという自身の方針は別段正当であると私は感じます。

二十面相の闘う理由と変態文学少年探偵団について

二十面相の闘う理由はハッキリ明言されています。

好敵手・明智小五郎怪人二十面相の認めた、生涯のかたきだからです。

 

原作シリーズの第12巻目『灰色の巨人』。

怪人二十面相ふんする謎の怪老人の以下の言葉で簡潔に語られています。

 

>「むろんだよ。宝石もほしかったが、明智をやっつけるのが、第一の目的だった。あいつは、おれのしょうがいの、かたきだからね。」

www.aozora.gr.jp

話の流れとしてはかなりの終盤で、狙った宝石をすべて失ってしまうものの明智を出し抜くことができた、と喜んでの上記のこのセリフです。

二十面相が語りかけた相手もまた、彼の組織の一味であり(※)嘘をつく必要はないでしょう。この言葉は真実です。

 

これらははっきりと作者の手によって書かれた作中に記されているのです。

二十面相が明智と闘う理由、これ以上他に何が必要なのですか。

 

 

 

続きます。

 

 

※この時、二十面相が語りかけている相手は?乱歩メディアミックスお決まりの『二十面相の愛人の謎の美女』でしょうか?違います。

“三十五―六歳のすばしっこそうな男でした。かわの飛行服をきて、飛行めがねをかけ、その下から黒いチョビひげが見えていました。怪老人に、いちばん信用されている長野ながのという部下です。”(上記の青空文庫より引用)

メディアミックスやパスティーシュでは判で押したように謎の美女を連れさせられている二十面相ですが(どいつもこいつもジョーカーとハーレイでもやりたいんですか?)(でも破局してますよねこの二人)彼が一番信頼している部下は男性です。

 

 

 

さらにネタバレ

 

 

 

このシーン、すでに部下は変装した明智とすり替わっています。つまり二十面相は気づかず「明智はしょうがいのかたき」という熱い告白を明智本人に聞かせてしまっているわけです。そもそも手下にノロケているのもなかなかですが、ここは屈指のニヤニヤシーンです!