青空文庫の『少年探偵シリーズ(江戸川乱歩)』を順番にリスト化してみる

2016年に作品の著作権が失効した江戸川乱歩

おなじみ青空文庫でも多くの作品が並び、特に少年探偵シリーズは全作品投稿済となっています。こちらのリストはまさにそのファイルを入力されたご本人が公開しているものをそのまま参考にして該当のタイトルにリンクをつけるという形にしました。

e-freetext.net

 

リスト

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図書カード:怪人二十面相

  初出:「少年倶楽部講談社/1936(昭和11)年1月号~12月号

 

図書カード:少年探偵団

  初出:「少年倶楽部講談社/1937(昭和12)年1月号~12月号

 

図書カード:妖怪博士

  初出:「少年倶楽部講談社/1938(昭和13)年1月号~12月号

 

図書カード:大金塊

  初出:「少年倶楽部講談社/1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年2月号

   ※戦前に発表された「少年探偵シリーズ」最後の長編

 

図書カード:青銅の魔人

  初出:「少年」光文社/1949(昭和24)年1月号~12月号

  ※戦後に発表された「少年探偵シリーズ」初の長編

 

図書カード:虎の牙(『地底の魔術王』の題のものも)

  初出:「少年」光文社/1950(昭和25)年1月号~12月号

 

図書カード:透明怪人

  初出:「少年」光文社/1951(昭和26)年1月号~12月号

 

図書カード:怪奇四十面相

  初出:「少年」光文社/1952(昭和27)年1月号~12月号

 

図書カード:宇宙怪人

  初出:「少年」光文社/1953(昭和28)年1月号~12月号

 

図書カード:鉄塔の怪人

  初出:「少年」光文社/1954(昭和29)年1月号~12月号

 

図書カード:海底の魔術師

  初出:「少年」光文社/1955(昭和30)年1月号~12月号

 

図書カード:灰色の巨人

  初出:「少年クラブ」講談社/1955(昭和30)年1月号~12月号

 

図書カード:探偵少年(『黄金の虎』の題のものも)

  初出:読売新聞/1955(昭和30)年9月12日~12月29日

 

図書カード:天空の魔人

  初出:「少年クラブ」増刊、講談社/1956(昭和31)年1月15日

  ※ポプラ社版では下記掲載の『妖星人R』との併録

 

図書カード:魔法博士

  初出:「少年」光文社/1956(昭和31)年1月号~12月号

 

図書カード:黄金豹

  初出:「少年クラブ」講談社/1956(昭和31)年1月号~12月号

 

図書カード:妖人ゴング

(『魔人ゴング』の題のものも)

  初出:「少年」光文社/1957(昭和32)年1月号~12月号

 

図書カード:魔法人形(『悪魔人形』の題のものも)

  初出:「少女クラブ」講談社/1957(昭和32)年1月号~12月号 

 

図書カード:サーカスの怪人

  初出:「少年クラブ」講談社/1957(昭和32)年1月号~12月号

 

図書カード:まほうやしき

  初出:「たのしい三年生」講談社/1957(昭和32)年1月号~3月号

 

図書カード:赤いカブトムシ

  初出:「たのしい三年生」講談社/1957(昭和32)年4月号~1958(昭和33)年3月号

 

図書カード:奇面城の秘密

  初出:「少年クラブ」講談社/1958(昭和33)年1月号~12月号

 

図書カード:夜光人間

  初出:「少年」光文社/1958(昭和33)年1月号~12月号

 

図書カード:塔上の奇術師

  初出:「少女クラブ」講談社/1958(昭和33)年1月号~12月号

 

図書カード:ふしぎな人

  初出:月刊誌「たのしい二年生」(大日本雄弁会講談社講談社)に1958(昭和33)年8月から1959(昭和34)年3月号まで

  さらに「名たんていと二十めんそう」と改題されて月刊誌「たのしい三年生」(講談社)に1959(昭和34)年4月から12月まで連載

 

図書カード:仮面の恐怖王

  初出:「少年」光文社/1959(昭和34)年1月号~12月号

 

図書カード:鉄人Q

  初出:「小学四年生」1958(昭和33)年4月号~1959(昭和34)年3月号までと、さらに「小学五年生」1959(昭和34)年4月号~1960(昭和35)年3月号

 

図書カード:かいじん二十めんそう

  初出:月刊誌「たのしい二年生」(講談社)に1959(昭和34)10月から1960(昭和35)年3月まで連載

 

図書カード:かいじん二十めんそう(上記同題ですが違う話です)

  初出:月刊誌「たのしい一年生」(講談社)に1959(昭和34)11月から1960(昭和35)年3月まで

  さらに月刊誌「たのしい二年生」(講談社)に1960(昭和35)年4月から1960(昭和35)年12月まで連載

 

図書カード:電人M

  初出:「少年」光文社/1960(昭和35)年1月号~12月号

 

図書カード:おれは二十面相だ

(『二十面相の呪い』の題のものも)

  初出:「小学六年生」/1960(昭和35)年4月号~1961(昭和36)年3月号

 

図書カード:怪人と少年探偵

  初出:「家の光」(家の光協会)付録「こども家の光」に1960(昭和35)年9月から1961(昭和36)年9月まで連載

  1961(昭和36)年5月には著者病気により休載と告知あり

 

図書カード:妖星人R(『空飛ぶ二十面相』の題のものも)

  初出:「少年」光文社/1961(昭和36)年1月号~12月号

  ※ポプラ社版では上記掲載の『天空の魔人』と併録

 

図書カード:超人ニコラ(『黄金の怪獣』の題のものも)

  初出:「少年」光文社/1962(昭和37)年1月号~12月号

 

図書カード:自作解説(副題として『怪人二十面相と少年探偵団』)

  初出:「児童文学への招待」南北社/1965(昭和40)年7月

  ※見てわかる通り作者によるエッセイです

 

 

 ……

以上です。

つけくわえれば、シリーズ最終巻である『超人ニコラ』は作者執筆最後の小説でもあり、その後、1965年(昭和40年)7月28日に江戸川乱歩は亡くなっています。『自作解説』によれば“三、四年来、病気でひきこもっていて、手足が不自由なため、筆がれないので、手紙の返事などは、家族のものに代筆してもらっているような、ありさま” だったとのことです。

 

 

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青空文庫のリンク、基本的にタイトルを音順に並べてるだけなので通俗向けか少年向けないし児童向けか、もしくは書評やエッセイなのかわからないんですよね。そういう不便もあり、このような形にしてみました。

 

いや、こんな記事作らなくても各々が順番調べてそのとおりに読んでいけばいいでしょと思われた方。

新しい作品に手を出すまでの「あ、これ無料で読めるけどどこから手を付けたらいいのか調べないといけないんだ……」というワンセンテンスをどれだけみんなめんどくさがっているか!お見通しですよ!気持ちはわかりますので!!

というわけで踏み切った今回のリスト作成です。

 

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実は乱歩作品は著作権フリーということでもうキンドルなんかでもかなり安価な全集が出ているので、そちらはまた別の記事で紹介しようかと思います。(正直、ワンコインで買えるし本文検索なんかもまとめて出来るし挿絵が入ってたりするので何作か読んで気に入ったらキンドルで買ったほうが手間はないですよ)

 

 以下ちょっと補足など

 

Q、全26巻より掲載作品が多い?

A、実は個別の単行本化の機会がなかった、少年向けよりさらに低い年齢層を想定した言うなれば児童向けの作品が存在します。一部の全集やムックなどのみに収録されていたこれらの話も青空文庫に収録されました。

リストでは児童向け作品のタイトル頭に「★」マークをつけています。

(また、全26巻ではありますが短編中編併録の場合もありますので少年向けのみで数えても話数は26話以上です)

 

Q、二十面相が好きです。二十面相の出てくる話以外に興味ありません。二十面相の出てこない話を読む時間と手間が無駄なので教えてください。

A、いやそんなことある?マ?全部読んでくれや。ただ二十面相の出てくる話優先で読みたい人もいると思います。一応ネタバレになるのでこの記事一番下に書いておきました(「続きから読む」でどうぞ)。でも読んでくれや全部。

 

Q、ガキくさい二十面相ものは興味なくて殺人事件の起こる後半の巻が好きだったんだけど作品が足りてなくない?小さいころから少年探偵団じゃなくてそっち読んでた自分変態すぎて草。でも乱歩といえばエログロ幻想猟奇殺人でしょ?二十面相とかマジ子どもだましだし怪盗キッド様しか勝たんわwワラ

A、後半は乱歩名義で書かれた通俗向けのリライトつまり他者による代作だから青空文庫には入ってねぇ~~~~~~~~んだよ!他人の作品です!残念だったな!ヘェ~~~イちゃんと乱歩本人の書いた本読んでから乱歩ファン名乗ってくださ~~~~い??プププ~~~~乱歩だからってエログロだけじゃねぇんだよ馬鹿の一つ覚えがおとなしく子供だまされるかクソして寝ろ

 

 

 

 

このリストですが転載・改良など特に制限しませんので良識の範囲でご活用ください

 

で、

 「怪人二十面相が登場しない作品」については↓

 

 二十面相が出てこない話リスト

 

・大金塊

・探偵少年(黄金の虎)

・天空の魔人

・まほうやしき

・赤いカブトムシ

 

……となってます。

おそらく。

 

おそらく……というのは明言されてないだけでどう見ても二十面相だろって敵も多いんですけども、まぁそのあたりは我々読者諸君の解釈次第ということですね(しかしわざわざ少年たち狙って遊びたがるヤバい金持ちなんてそうゴロゴロおらんわ東京の治安が世紀末って感じなんですけども)。

 

 (また、ついでにネタバレしますと二十面相の出てこない話は明智先生も出てこないことが多いです)

 

 

余談ですが、二十面相が出てこない話があるから「二十面相シリーズ」じゃなくて「少年探偵シリーズ」なんですね。